先日、スワーミー・ヴィヴェーカ―ナンダの講演録がまとめられた4大ヨーガのテキストの中の『カルマ・ヨーガ』から「カルマ」について引き、記事(「カルマ」とは?)にしてみました。
今日は、秘教における「カルマ」について、その入口の概念をみていこうと思います。
アリス・ベイリー著『トランス・ヒマラヤ密教入門 第3巻【意識の進化】』
第四章 転生とカルマ
まず、『カルマ・ヨーガ』の記載と通底している内容について引いてみます。
177頁より
今日世界で起こり、人類に強い影響を与えているすべてのものー美しいものと恐ろしいもの、生活様式、文明と文化、偏見と好み、科学的な達成と芸術的な表現、そして人類が惑星の至るところで存在を色づける多くの方法ーは、個人であれ集団であれ、あるところであるレベルである時に人間が引き起こした結果の現れである。
したがってカルマとは、現瞬間に至るまでの時代を通して、人間が始め、推し進め、支持してきたこと、そして行わなかったり正しく行ってきたりしたことである。今日、収穫の機は熟しており、人類は新時代の春に行われる新たな耕作を前にして、かつて蒔いたものを刈り取っているのである。より良い収穫を生み出す種を新たに蒔きながら(そうであることを祈り願おうではないか)。
次に、「カルマの法則」についての言及をみていきましょう。
176頁より
カルマの法則は、正しく理解し適切に用いたとき、一連の結果を伴う苦痛以上に、幸福、善、苦痛からの自由を生じさせるものをもたらすことができる。私がこのように指摘するとき、あなた方は私が言っていることの重要性を把握できていると感じますか。
・・・・・・カルマの法則は、この主題に関して書かれている流行の書籍を読んだときに推測されるような報復の法則ではない。それはカルマの法則の一面でしかない。
・・・・・・人々は、漠然と感じられるカルマの法則を、決定的なものという観点から、そして自分自身の小さな視点から解釈する。報復という考え方がカルマについての多くの教えに溢れている。この理由の一つの例として次のものを挙げることができる。つまり、人々は自分がそうであると思うものにもっともらしい説明を加えようとするからであり、また報復することを望んでいるからである。しかし、現在のような時期に巻き込まれているかなた方が次のように考えるのは無理かもしれないが、一般的に良いカルマのほうが悪いカルマよりも多く存在するのである。
※『トランス・ヒマラヤ密教入門』はアリス・ベイリーの各著作から項目ごとに関係する箇所を引き出し、まとめ上げられた著作。第1~4巻。
秘教の体系を学ぶ上で、まず手にとってみられることをお勧めします。
スワーミー・ヴィヴェーカ―ナンダの『カルマ・ヨーガ』には、私たちが行うすべてのことが「カルマ」であると書かれていました。
そして、今日引用した『トランス・ヒマラヤ密教入門 第3巻』によると、あるところであるレベルである時に人間が起こしたあらゆること、その結果の現れが「カルマ」である、ということです。
つまり、『カルマ・ヨーガ』における「カルマ」はすべての行動、そして秘教における「カルマ」はその行動の結果の現れ、と総括できるでしょうか。
『トランス・ヒマラヤ密教入門 第3巻』からの今日の引用は、個人、あるいは集団というものを対象として書かれており、そういった点において、ある意味「カルマ」の入り口的な位置づけと捉えることもできましょう。
秘教における「カルマ」は、個人に限定することなく、社会、世界、地球、そして太陽系にまで広がっていきます。
この広がりが、非常に、非常に面白いわけです。
そして、最初の引用の締めの部分。
「今日、収穫の機は熟しており、人類は新時代の春に行われる新たな耕作を前にして、かつて蒔いたものを刈り取っているのである。より良い収穫を生み出す種を新たに蒔きながら(そうであることを祈り願おうではないか)。」
はい!DK大師。
そのように祈り、願い、邁進してまいります!!
と言葉が飛び出していきそうな…それほどまでに背中を押してもらえる言葉ではないでしょうか。
DK大師が降ろし、アリス・ベイリーが口述筆記をした秘教文献は、私たちの心に、そっと優しく寄り添ってくれる…そういった内容が書かれているわけではありません。
しかし、この最後の部分のように、大きな愛をもって力強く激励をしてもらえる。
そして自分自身で考え、行動するその道のりを指し示してくれる。
これが、本当の愛なのではないでしょうか。
ここが秘教の魅力であると思うのです。
私は、秘教概念をベースに自身の世界観を構築していこうと試みています。
というわけで、秘教における概念と比較しつつ、今後も月に数回のペースでヨーガの学びを記していこうと思います。
今日も目線を上に、空を見上げてまいりましょう!

みなさん、今日も素敵な一日をお過ごし下さい!
#アリス・ベイリー
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