最近、アウグスティヌスに言及する記事が多いのですが、それはなぜ?
今日は、その理由をつらつらと挙げてみようと思います。
アウグスティヌスは西方教会にとどまらず、西洋思想そのものに深く影響を及ぼしています。
418年に開催されたカルタゴ教会会議では、その「原罪論」と「恩恵論」の要点が西方教会の正式な教理として採択され、その神学が西方教会の教理の本流となっているとのこと。
が、しかし。
アウグスティヌスがイニシエーターであったという視点からアプローチした研究は、おそらく洋の東西を問わず、未だかつてないのではないでしょうか。
私は、そこに非常に大きな興味を抱き、少しずつ接近していった(今もその途上)という経緯があります。
特に、有名な『告白』では、この私でさえもありゃりゃ…と思わずため息をついてしまうほどの放蕩生活が実しやかに描かれ、そしてそのその先にたどり着いたのが「神の恩寵」。
この「神の恩寵」に対する際立った思想に感銘を受けました。
とは言え、如何せん当時(4世紀終盤から5世紀初旬)すでに第2段階以上のイニシエーターの思想です。
その深遠までなかなかたどりつけるものではありません…。
一方で、アウグスティヌスの著作『ソリロクィア』の中にこんなくだりがあります。
「理性 ではあなたは何を知りたいのか。
私 わたしが祈りましたこれらすべてのことです。
理性 もっと短く要約しなさい。
私 神と魂をわたしは知りたい。
理性 ほかに何もないのかね。
私 まったく何もありません。」
罪を犯した弱き自分を悔い、その上に立つ真摯な自己反省がアウグスティヌスの思想的な特徴であり、その哲学が「心の哲学」といわれる所以でもありましょう。
弱き自分から、そして罪の深淵から救いたもうたのは神の恩寵であり、それゆえ、自身の魂と神について知りたい!と。
この、神に向かう心の超越性、対向性は彼の思想のベースであると考えます。
グリーフを活動の基盤としているBoo de 風としては、是非、多くの皆様にお目を通して頂きたいと思うわけです。
そしてまた、彼の「魂への探求」はアリス・ベイリーの著作『魂とそのメカニズム』の中で触れられているのですよ!
いかがでしょうか。
世の中に知られている各界の著名人が、もしもイニシエーターであったのならば、彼らが世に顕現させた仕事の数々を秘教の観点から見つめ直してみるのは非常に意味のあることであり、また趣深いものがあるのではないでしょうか。
アウグスティヌスを知るう上で、この本はおすすめです!
150頁ほどで読みやすい上、非常に学び深い一冊です。
みなさん、今日も素敵な一日をお過ごし下さい!
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