アリス・ベイリーの『未完の自叙伝』無料Zoom輪読会を開催するにあたり、アリス・ベイリー、そして『未完の自叙伝』について少しずつ記事にしていくシリーズ。
第3弾の今日は、前回に引き続き、私自身のアリス・ベイリーの印象について書いてまいります。
前回は『未完の自叙伝』を読む前のアリス・ベイリーに対する印象、そして今日は読後の印象についてです。
この本の中には、アリス・ベイリーの人となりを紹介するたくさんのエピソードが盛り込まれています。
これ!と思ったエピソードと、その感想を何回かに分けてご紹介してまいります。
では早速。
少し、長く引いてみます。
アリス・ベイリー著『未完の自叙伝』、71~72頁より。
私が最初に受け持った福音伝道集会のことは決して忘れることはないでしょう。私は自分自身の小さなバイブルクラスや祈祷会で話をすることには慣れていたので、何の不安もありませんでした。しっかりとできると確信していたのです。・・・・・
ある日曜日の午後、私はニ、三百人の兵士と何人かのイギリス王室アイルランド警察隊を前にして、大きな部屋の演壇に立っていました。私は流暢に話始めましたが、調子が出ずにあがってしまい、男性たちを一瞥した途端に泣き出し、演壇から逃げ出してしまったのです。私は、どのようなことがあっても演壇には戻らないと言い張りましたが、しばらくして、「イエス様は私にどうすることを望んでおられるか」という私の昔からの問いかえに答えて、私はおずおずと戻っていきました。・・・・・
数週間後に私は復帰しました。今度は話すことをよく覚えておいたため、話の中程まではなかなか上出来できた。そして、話を軽快にし、変化を持たせるために詩を引用しようと決めていたところに来ました。・・・・・最初の二行はうまくいきましたが、そこで詰まってしまいました。次の言葉が思い浮かばなかったのです。完全にそこで止まってしまい、神の毛の根っこまで赤くなり、震える思いでした。・・・・・私はもう演壇から姿を消し、自分の部屋で涙の洪水の中にいました。私は、イエス様と自分自身の両方の期待を裏切ってしまったのです。私は何もかもやめてしまったほうがよいと思い、慰めにきた仲間のワーカーの一人がドアを開けようとするのも拒んで、その夜は一晩中泣き明かしました。しかし、私はその難関を突破しました。演壇で話すのを拒むことを自尊心が許さなかったのです。次第に私は男性の群れに聖書を説くことに慣れていきました。
みなさん、いかがでしょうか。
このエピソードからして、アリス・ベイリーもひとりの人間だった・・・。
これが私のシンプルな印象です。
第3段階のイニシエートはいかに完全で、一般人とは掛け離れた存在。
行動に隙もなく、いつも完璧。
あまりにも遠い存在すぎて、勝手にこんなイメージをもっていました。
しかし、『未完の自叙伝』を通して、彼女がいかに人間味あふれる女性であったのか…この点が強烈に響きました。
また一方で、そのひとりの女性、ひとりの人間が、皆誰もが共感するであろう出来事をどのように捉え、どのように乗り超えていったのか…これは非常に着目すべき点であると感じました。
たとえば、先の引用の中の次の文。
私は、イエス様と自分自身の両方の期待を裏切ってしまったのです。
しかし、私はその難関を突破しました。演壇で話すのを拒むことを自尊心が許さなかったのです。
これを読んだだけでも、肉体をまとった自分と本来の自分を同一視していないことが伺えます。
この視点を携えていたからこそのアリス・ベイリーの人生の展開。
『未完の自叙伝』を読み進める上でのひとつのポイントになるかもしれませんね。
前回の記事、「アリス・ベイリーの印象。(『未完の自叙伝』読前)」と比較すると、ガラリとその印象が変わったことが明らかです。
アリス・ベイリーをご存知の方にも是非お読み頂きたい1冊です。
みなさんの読前、読後の印象はどのような感じでしょうか?
また、アリス・ベイリーをまったくご存知ない方も、この本を読むことで、ひとりの女性の人生の追体験ができるかと思います。
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1920年2月1日に撮影された写真だそうです。
真ん中にいるのがアリス・ベイリー(当時は40歳近くで、まだアリス・エバンスと呼ばれていた)。
右は後に夫となるフォスター・ベイリー、反対側は当時『セオソフィスト』誌の編集者だったB.P.ワディア。

みなさん、今日も素敵な一日をお過ごし下さい!
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